幻想館
佃喜翔,おひめさま,歌舞伎,グリム,ファンタジー,ギャラリー喜翔ろまん館,幻想館
ほぼ絹本着色日本画技法・・でも日本画家ではないかも。伊藤若冲・クラーナハ・橘小夢・仏画・歌舞伎・グリム童話・今昔物語・蔓植物が好きです 。
■おひめさま

いばら姫
麻糸を紡ぐ魔女の糸車の錘(つむ)に指を刺されて100年の眠りについたいばら姫。グリムのお話では置いてあったベッドに倒れこんだ事になっているけれど、忘れられたような塔のてっぺんの小部屋には亜麻糸を保存する黒い棺のような糸箱がふさわしいと「糸箱のいばら姫」になりました。
■グリム幻想
当サイトに掲載予定のファンタジー、東の海の孤島に住む魔女と双子の娘たちの物語「リトルイースト」の原画として制作中の作品です。
■日本のヒロイン(古の物語・歌舞伎・歴史上のヒロイン)
不自由な時代に個性的に生きたせつなくも愛おしいヒロインを描きました

かぐや姫
角田文衛著『待賢門院璋子 の生涯』より 院政期、院の姫君と呼ばれた後の鳥羽天皇中宮「待賢門院璋子」は権大納言「藤原公実」と堀河・鳥羽2代の天皇の乳人
「光子」の末の姫として誕生。かぐや姫のように周囲を魅了し乳児期に白河上皇の寵妃「祇園女御」の養女として迎えられました。

院の姫君-いんのひめぎみ
角田文衛著『待賢門院璋子 の生涯』より 平安時代院政期の権力者「白河法皇」は寵妃「祇園女御」の養女である「藤原公実」の末娘を身近に置いて育てました。「院の姫君」と呼ばれた彼女の可愛らしさと快活さはかぐや姫のように人々を魅了します。

溺愛-できあい
角田文衛著『待賢門院璋子 の生涯』より
白河法皇は愛憎激しい方であったようで、最愛の中宮「賢子」を若くして亡くした際の嘆きは凄まじく、その忘れ形見として限りなく「もてかしづきて」育てた媞子内親王もまた21歳で亡くし、「神心迷乱」し嘆きのあまり剃髪されたとのことです。老境に入って出会った「かぐや姫」のような幼子への愛もまた尋常でなく、姫の足を懐に入れて温めて寝かしつけるために、関白藤原忠実の政務の面会を断るような有様でした。

若紫-わかむらさき
角田文衛著「待賢門院璋子の生涯』より
源氏物語における光源氏と若紫のような関係、父として慕ったのに男女の関係を強要される事は、恋愛がかなり自由でおおらかだった平安時代においてもスキャンダルだったようで、義父との関係は最も軽蔑されました。「院の姫君」の身にも、数え年14歳頃にその事が起こったと想像され、彼女は「りっぱな不良少女/by 白洲正子」となりました。

白河院の姫君
角田文衛著「待賢門院璋子-taikenmon-in tamako-の生涯』より
璋子は数え年15歳頃、藤原季通や権の律師/増賢の童子と密通事件を起こして、関白藤原忠実に「乱行の人」「奇怪不可思議なる人」と非難されました。実父を7歳で亡くし、母と姉は鳥羽天皇の乳人。最高権力者の養父の溺愛を受けて宮廷しか知らない彼女を責めるのは酷いと画家は考えます。その昔、在原業平に盗まれた「藤原高子」のように、外の世界にさらわれたかったのかもしれない・・筝の琴の教師として白河院を訪れた貴公子藤原季通目線で描いた妄想画です。

西行出家図
角田文衛著「待賢門院璋子の生涯』より
西行 - 佐藤義清-Satou Norikiyoが出家したのは数え年23歳。璋子の実兄 / 藤原実能の家人として、その推挙により鳥羽院の北面の武士として仕え鳥羽上皇の覚えも目出たかったとのこと。出家後、勧進経の依頼に来た西行の事を、年下の藤原頼長は「もと兵衛尉 義清也。重代の勇士たるを以て法皇に仕ふ。俗時より心を仏道に入る。家富み、年若く、心に愁無きに、遂に以て遁世す。人これを嘆美する也」と憧れの眼差しをもって記しています。「久遠の人」として生涯慕った17歳年上の待賢門院への恋が出家の一因となったとの説があります。

番町皿屋敷/お菊
大正3年(1914)に初演された岡本綺堂脚本版を元に歌舞伎「番町皿屋敷」のヒロインお菊を描いた作品です。
井戸の中から女の幽霊が夜な夜な現れる陰惨な怪談話とは異なり、まるでエリートサラリーマンとOLのような男女の恋の行き違いを描いていて現代的です。家宝の皿を割って男を試した女。疑われたことに激高した男は武士のプライドから刀を振り下ろそうとする。愛を確認した陶酔の中、手を合わせまっすぐに男を見て殺してくれと懇願する女。歌舞伎はまるで「生贄の儀式」のように死のエロスを描き観客を興奮させる舞台劇です。

鳴神/雲の絶え間姫
歌舞伎「鳴神」より。 平安時代、天皇の皇子誕生の祈願を成就した「鳴神上人」は、祭壇を築く約束を破られたことに怒り、龍神を滝つぼに封印した。 雨不足で飢饉に苦しむ民衆を救うため、天皇は宮中一の美女「雲の絶間姫-くものたえまひめ」を遣わした。 女を見たこともない上人が、色仕掛けで誘惑される滑稽な歌舞伎である。

歌舞伎連作/黒塚左隻 いとあさましき
柴を拾いに出た女の「寝間を覗くな」の言葉の逆らって覗き見した強力の見たものは••おぞましい死体の山。逃げ出した僧一行の姿を見て怒りに狂い鬼となって追う老女。僧の祈念により如意輪観音菩薩の破魔の弓で放たれた矢に射抜かれて調伏された鬼は掻き消えて、残るは主のない衣ばかり

歌舞伎連作/黒塚右隻 あなうれしやのう
平安時代、父の流罪に伴い夫に捨てられ下った東北の地で独り取り残された都人の女は凄まじい孤独の中で安達ヶ原の鬼と化し人を喰らって生き延びた。偶然宿を求めた高僧の「仏に縋ればどんな罪人も救われる」の言葉に希望を見い出し、童女のように手踊りして喜びを噛み締める。

歌舞伎連作/京鹿子娘道成寺 白拍子花子
蛇体となった清姫に釣鐘のなかで焼き殺された若僧安珍。その供養のための法要に現れた白拍子は、華やかに舞踊った後,清姫の本性を現わして再び大蛇に変身する。背景も前面も満開の桜でうめつくされた舞台は華やかでドラマチック。

野崎村/お染
新版歌祭文(しんばんうたさいもん)通称「野崎村」より 大阪の大店の油屋の娘お染は、丁稚久松に恋をする。許されない身分違いの恋に若い二人は心中へと突っ走る。16歳くらいか?実際の情死事件をもとに生まれた作品とのこと。

金閣寺/雪姫
狩野将監の娘雪姫は夫狩野直信とともに捕らえられ、松永大膳の意に従うようせまられる。縛られ桜の幹につながれた姫が降り積もる桜の花びらを着物のすそでかき集め、つま先で鼠を描くとその鼠が生きて動き出し縄を噛み切るという奇蹟が起こる。サディスティックな魅力にあふれた作品。

お半長右衛門/お半
「桂川連理棚(かつらがわれんりのしがらみ)」より 信濃屋の娘お半は、ふとした旅先での間違いから、隣家の帯屋長右衛門と結ばれ妊娠してしまう。14歳と45歳の許されない恋はやがて心中という結末をむかえる。

八百屋お七
有名な江戸のヒロイン。八百屋の娘お七は、火事の避難先の寺で見初め恋仲となった小姓吉三郎を思いつめ、逢いたい一途で、ぼや騒ぎを起こして火あぶりの刑となる。16歳との説が多いが、日本風俗史新聞によると15歳未満だと罪をまぬがれるという まわりの説得に耳をかさず15歳だと言い張って死を選んだ・・とも。

葛の葉
安倍保名に助けられた白狐は、葛の葉姫に化けて保名の嫁となり子をもうける。陰陽師として名高い安倍清明がその子。本物の姫の登場で本性が現れた狐は涙ながらに子と別れ、「恋しくばたずね来てみよ和泉なる信田の森のうらみ葛の葉」の歌を残して信田の森へと去る。

白波五人男/弁天小僧菊之助
知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が歌に残せし盗人の種は尽きねえ七里ヶ浜、その白波の夜働き、以前を言やあ江の島で年季勤めの児が渕、江戸の百味講の蒔銭を当に小皿の一文子、百が二百と賽銭のくすね銭せえだんだんに悪事はのぼる上の宮、岩本院で講中の枕捜しも度重なり、お手長講と札附にとうとう島を追い出され、それから若衆の美人局、ここやかしこの寺島で小耳に聞いた祖父さんの似ぬ声色で小ゆすりかたり、名さえ由縁の弁天小僧菊之助たあ、俺がことだ。(講談社歌舞伎辞典より)

播州皿屋敷/お菊
播州姫路でお家乗っ取りを企む青山鉄山は、その秘密を忠臣船瀬の妻お菊に立ち聞きされたことから、お菊の預かる家宝の皿を1枚隠しその罪をきせて惨殺。死体を井戸に投げ込むが、お菊の幽霊が夜毎、井戸に現れる。
ボタンクリックで次ページへ
■百花幻想
植物の精のような女性たち

アメノカガミノフネ
かわいい花を咲かせるつる植物ガガイモ(古名カガミ)の精をアメノカガミノフネに乗って種を飛ばしている少女として描きました。
大国主命の国造りを助けた少彦名命が乗って来た舟と伝わっています。
■1980-1996ペン画~卵黄テンペラ画
絹本着色技法以前、広告系イラストレーターの仕事の合間や子育て期に描いた作品です。特にテンペラは落書きを元に描いた作品が多く「好き」の原型が多くあることに2020年になって気付き作品リストでもあるこのギャラリーに追加しました。 ふくらみとくぼみとしわ、たわめた線と増殖文様が好き。
ボタンクリックで次ページへ
※画像はすべて喜翔のオリジナル作品です。無断転用を禁じます。作品使用については contactページ よりお問い合わせください。






























































