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イベントちらし画像/フェイスブック公開投稿より | 佃 喜翔画/大正浪漫華シリーズ12月蘭 |
イラストデータレンタルサイトに掲載していた私の作品「大正浪漫/華シリーズ12月蘭」が、過去にイベントちらしに無断使用され最近までフェイスブックで公開されていた件につき報告いたします。
素人っぽいデザインと社会福祉法人である事から、無知による無断使用の可能性があると考え、当初は穏便な対応を考えましたが、「経営は資本金●●●億の大規模グループ法人であり抗議すべき」との運営からの提案で弁護士先生を紹介いただき、著作物無許諾使用による損害賠償の交渉を依頼しました。
ホームページgallery喜翔浪漫館🔗▼
https://new.kishoromankan.net/gensokan/taisho/
フェイスブックで公開されていたちらし画像(現在削除済)・レンタルデータイラストの料金や作家データその他書類と上記ホームページアドレス等を資料として交渉に当たっていただきましたが、相手方代理弁護士からは「佃喜翔が著作権者である事が証明できない」との返答でした。その後の再三のやりとりにかかわらず著作権を否定する根拠が示されず、「佃喜翔を著作権者と認めず、佃喜翔のイラストレーションは著作物にあたらない」「これ以上議論する必要がない」・・から最終的に再度「これ以上議論する必要がない」との返信が繰り返されました。
そこで誠意がまったく見受けられず、対応する気がない事が明白と判断した当方弁護士よりこれ以上は訴訟提起しかないとの提案をいただきました。(※侵害を発見から6か月、侵害当時から刑事7年、民事20年の時効は成立していません)
この作品はリスペクトする大正浪漫の画家たち、特に「高畠華宵」先生の影響を色濃く受けていることは自認しています。ただ「大正~昭和初期の、束の間訪れた自由の気風をまとう女性達を12作品、月ごとの花のイメージに重ねて描く」コンセプトのもと、花や建物をスケッチし、ファッションを研究し、着物の柄を考案し、絹に描く方法を試行錯誤しながら数か月熱中して描いた私の初期シリーズ作品の1枚です。(広告系イラストレーター当時の習慣で署名なし撮影、現在も署名は額装を決めた後に入れる習慣です)
古書店で買った雑誌の写真を参考にしましたが、服装や柄をそのまま描いた絵ではありません。ホームページの作品群を見て、プロフィールを読んでこのように否定される事には強い怒りを覚えます。初期に作った制作者記名入りオフセット印刷ポストカード・個展での展示写真と該当画像をメインにしたDM・レンタルイラストサイトに登録した画像の元になった古いポジフイルム等など追加資料はいくらでもあります。
ただ、手間のかかるアナログ絵ばかり描いている貧乏画家の私には、長引くのが通例の訴訟にかかる費用を負担する余裕も、8月に控えた作品展の準備や毎年6月~12月に制作する定期の依頼絵(絹本12点年内納品)にかける時間とエネルギーを削る余裕がありません。訴訟は諦めるしかないのです。
個人、企業にかかわらずきちんと許諾を取る方やSNS使用で指摘すれば削除する方もいる一方で、これまで何度もなんと気軽に作品を使われてきたことか・・。飲食店のポスターなど知人からの通報を受けても遠い現場まで行っての確認が面倒だったり、海外での使用で抗議手段が分からなかったり、そのたびに厳重抗議してこなかったのは私の落度です。また同じ事を繰り返すのはとても情けないですが、せめてこの場所で、
クリエイターの権利をいとも簡単に侵害する企業に対し、抗議の意を表明します。著作権はどこかに登録したり認可を受ける必要のない、オリジナルの創作物を生み出した瞬間から与えられる作家の権利です。使用に際して著作権者を調査し許諾をとる義務は使用者にあります。
2025年4月10日佃 喜翔